INTERVIEW

01.銀行員から弁護士へ──企業を支えたいという想いの原点

大学時代に銀行でインターンシップを経験したことをきっかけに、資産運用の仕事に興味を持ち、卒業後は地元・広島に帰り、地方銀行に就職しました。
投資信託や保険、仕組債など、個人のお客様の資産運用をサポートする業務に3年間携わりました。

弁護士を志すようになった背景には、いくつかの出来事がありますが、その中でも大きな転機となったのが、取引先企業の倒産でした。
多くの人から信頼されていた優秀な経営者であっても、長年地域を支えてきた企業であっても、倒産という結果を避けられないことがある――その厳しい現実を前に、強い衝撃を受けました。
倒産処理に関わる中で、経営陣が抱えていた苦悩、従業員の悲しみ、地域の方々の喪失感が手に取るように伝わってきて、何もできない自分にもどかしさを感じました。

また、同じ時期、実家の不動産会社でも法律をめぐるトラブルが発生しました。
普段は陽気な父が青ざめた表情で一人悩む姿を見て、私自身も心配でなりませんでした。
弁護士に相談した結果、問題が無事解決し、父に安堵の表情が戻ったとき、弁護士に相談することの心強さを実感するとともに、法的トラブルが起こるリスクを予め防ぐことの重要性を痛感しました。

「企業が安心して事業に専念できるよう、法律を使ってサポートしたい」

その思いから銀行を退職し、法律を一から勉強し直して、弁護士になりました。
現在は、企業法務や倒産(清算・再生)支援といった分野を中心に、企業が直面するさまざまな課題に向き合いながら、実務に取り組んでいます。

02.企業再建の現場で学んだこと

企業にとって一番のリスクである「倒産」を回避するために、何ができるのかを学びたい——。

そんな想いから、弁護士としての第一歩を、事業再生の分野で豊富な実績を持つ光麗法律事務所で踏み出しました。
同事務所は、「企業再建」を理念に掲げ、主に「私的整理」という手法を通じて、数多くの企業を危機的状況から救ってきた法律事務所です。

私的整理とは、債権者と直接交渉し、債務の負担軽減を図りながら、経営の再建を目指す手続きです。
裁判所の監督下で行う民事再生や会社更生と異なり、非公開の手続きであるため、信用棄損を最小限に抑えられるという特徴があります。

同事務所は、北海道から九州まで、自動車販売業、旅館、飲食業、不動産業、農業、製造業など、全国各地の多様な業種の企業から依頼を受けていました。
私も毎月のように各地へ出張し、経営会議に参加しては、事業計画や財務諸表をもとに改善点を洗い出し、再建の糸口を探る日々を送っていました。

一つひとつの数字と向き合い、実現可能な弁済計画を策定し、金融機関や税務署などの債権者と粘り強く交渉を重ねる——。
企業再建には年単位の時間を要することもあり、非常に根気のいる分野です。

倒産の原因は、コロナ禍による景気後退、原材料価格の高騰、為替変動、主要取引先の倒産などの外部的要因もある一方で、過剰な設備投資、採算の取れない事業への投資、役員による浪費など内部的な要因(あるいはそれらが複合した要因)も多く見られます。

こうした経営危機に直面した企業の支援に携わる中で痛感したのは、何が問題で、どこに無理があるのかを丁寧に分析したうえで、的確な財務管理を行うことがいかに重要かということです。
また、企業活動の根幹にある事業構造や契約関係が、収益や資金繰りにどれほど大きな影響を与えるかについても強く実感しました。

「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」という言葉があります。
利益追求のために良心を捨ててはならない。一方で、どれだけ立派な理念を掲げても、それを支える現実的な収支管理や経営の仕組みがなければ、絵に描いた餅に過ぎません。

私はこの原則を胸に、法的な観点だけでなく、経営の視点からも支援できる弁護士を目指しています。
企業が持続可能な事業を実現できるよう、現実的かつ実務的なサポートを提供していきたいと考えています。

03.弁護士としての信念

私が弁護士として大切にしていることは、二つあります。

ひとつは、「依頼者の話を丁寧に聴くこと」です。
法律相談の場は、単なる問題解決にとどまらず、依頼者ご自身が状況を整理し、「何が起きたのか」「なぜそうなったのか」「これからどうすべきか」を見つめ直す、大切な時間にもなり得ます。
そのため、ご相談の際はまず、依頼者のお話にしっかりと耳を傾け、不安や悩みを受け止めることを何より重視しています。
そのうえで、私の考えを押しつけることなく、一人ひとりの価値観や信念を尊重しながら、その方にとって納得のいく「最善の解決」を共に考えていくことを心がけています。

もうひとつは、「依頼者の権利・利益を守り抜くこと」です。
例えば、取引相手が大企業や官公庁といった優位な立場にある場合や、紛争の相手方が高圧的・威圧的である場合など、依頼者が不利な条件を受け入れざるを得ない状況に追い込まれることもあります。
そうした場面でも私は、感情や雰囲気に流されることなく、冷静に状況を見極めたうえで、依頼者の正当な権利と利益を守るため、戦略的かつ粘り強く対応してまいります。

弁護士へのご相談には、勇気が必要な場面もあるかもしれません。
だからこそ、私は一つひとつの案件に真摯に向き合い、依頼者の方が安心して次の一歩を踏み出せるよう、全力でサポートいたします。

 

電話
受付時間

10:00〜19:00

※都合により休業となる場合がございます。
※お電話が繋がらない場合は、恐れ入りますが、
メールまたはLINEにてお問い合わせください。

個人情報の取扱いについて

当事務所は、プライバシーポリシーに基づき、
お客様の個人情報を管理いたします。
プライバシーポリシーをご確認の上、次の画面にお進みください。

プライバシーポリシー