私が弁護士を志すようになったのは、身近に法律問題が多くあったことがきっかけです。
母方の祖父がトラックの荷積み作業中に事故に遭い、労災の問題へと発展したことがありました。
父方の祖父も、土地の売買をめぐって紛争を抱えたことがあります。
いずれも自分たちだけでは解決できず、弁護士に相談・依頼することになりましたが、こうした経験を通じて、法律に詳しい専門家の存在がどれほど重要かを実感しました。
また、父は不動産業を営んでいたため、登記関連の業務で苦労することも多く、「司法書士になってくれたら助かるなあ」と言われたこともありました。
そのような環境で育った私にとって、法律の世界は決して遠いものではなく、大学は迷わず法学部を選びました。
弁護士となってからは、幅広く一般民事を扱う法律事務所に所属し、インターネット上の誹謗中傷や債権回収、役員解任をめぐる紛争、労働事件、不貞行為に関する慰謝料請求、さらには強盗事件の刑事弁護まで、多様な案件に携わってきました。
その一つひとつの経験が、現在の自分の糧となっています。
弁護士の業務は多岐にわたりますが、私が特にやりがいを感じるのは、裁判業務です。
なぜなら、裁判は「力」や「立場の強さ」ではなく、「正しさ」によって決着がつく、数少ない公正な場だからです。
世の中では、立場の強い人が得をしたり、肩書や影響力によって物事が決まったりすることがあります。
しかし法廷では、どんな人であっても、民事訴訟法や刑事訴訟法といった同じルール・手続に従わなければなりません。
そこで重要なのは、肩書や影響力ではなく、「適切な証拠」と「論理的な主張」です。
「適切な証拠」に基づき、「論理的な主張」を適切に行えば、どんな力関係にも左右されることなく、公正な結論を得ることができます。
「法の下の平等」という理念を日々の業務の中で体現でき、ご依頼者様の正当な権利と利益を守る――そのことに、私は大きなやりがいを感じています。
弁護士になった当初から、私はずっとインターネット上の誹謗中傷案件に携わってきました。
司法修習でも扱わず、司法試験の科目にもない分野ですが、実務の中で経験を積み重ねてきたことで、今では自分の得意分野のひとつになっています。
インターネットの世界は日々新しいサービスやプラットフォームが登場し、判例や先例がまだ存在しない問題に直面することも少なくありません。
「この仕組みは侵害関連通信にあたるのか」といった新たな論点が次々に現れるため、自分でも実際にサービスに登録し、どんな情報が保存され、開示には何が必要なのかを体感しながら学んできました。
大変さはありますが、その分、新しい知見を切り拓いていく面白さを感じています。
ネット上の誹謗中傷は社会的に根深い問題で、政治や時事問題とも結びついています。
著名人に限らず、誰もがふとした発言や投稿をきっかけに炎上する可能性があり、発信者は常にそのリスクと隣り合わせです。
企業の場合は、炎上が致命的なイメージダウンにつながることもあるため、発信の仕方や初動対応をどう行うかは非常に重要です。
今後は、そうした危機管理の面からもサポートを広げていきたいと考えています。
一方で、今後新たに取り組んでいきたいのが、キャラクタービジネス関連の法務です。
実は私は「ゆるキャラ」が好きで、休日にはグリーティングイベントによく足を運んでいます。
電車や駅とコラボしたり、地域のお祭りに登場したりするので、それを追いかける「推し活」が趣味です。
元々は妻の影響で興味を持ったのですが、「ご当地キャラカーニバル」を観るために群馬まで行ったこともありますし、弁護士会のキャラクター公募に自作の絵を応募したこともあるほどです(笑)。
ゆるキャラは多くの人に愛される存在ですが、実際には無断利用や模倣、使用範囲をめぐるトラブル、グッズ化やイベント展開に伴う契約、SNS運用の外部委託など、法的な課題も数多く生じています。
私自身「推し活」をする一人のファンとして、ゆるキャラは人を癒し、地域や企業を元気にする存在であってほしいと強く思っています。
そのため、法的なトラブルで大切なキャラクターが裁判に巻き込まれるような事態を避けたいのです。
ゆるキャラを含め、エンタメは人にとって生きがいにもなり、現実を忘れさせてくれる尊いものです。
こうした価値を守るためにも、権利関係をしっかり整えて、法務の面から支えていきたいと考えています。
私が弁護士として大切にしているのは、「ご依頼者様との信頼関係を築くこと」です。
紛争の解決において法律の知識はもちろん重要ですが、何よりも事実関係や証拠関係を正確に把握することが欠かせません。
そして、その事実関係を最もよく知っているのは、ご依頼者様ご自身です。
不利な事情も含めて正直にお話しいただくためには、信頼関係の構築が不可欠となります。
だからこそ、私は「約束を守る」「できる限り早めに連絡を返す」「こまめに報告する」といった基本を大切にし、ご依頼者様にどんな不利な事情でも安心してお話しいただける環境づくりを心がけています。
また、紛争の渦中では、怒りや不安といった感情が先行して事実が見えにくくなることがあります。
実際、こちら側の事実関係の認識と相手方の事実関係の認識が大きく異なっていることも往々にしてあります。
事実関係の適切な把握を怠ってしまうと、こちら側が不利な状況に立たされる可能性があります。
そのような事態を防ぐため、私はご依頼者様にお話を伺う際、客観的な証拠を確認したり、「なぜそう言えるのか」という根拠を丁寧に尋ねるように努めています。
相手方の反論を予測しつつ、客観的な証拠に基づき、根拠を丁寧に確認することで、ご依頼者様が気づいていなかったリスクや、よりよい解決策を探し出すようにしています。
最善の結果を目指すためには、「信頼関係を築くこと」と「第三者の立場から冷静に事実関係を見極めること」の両方が重要だと考えています。
もっとも、法律上の結論が出ても、感情の面で「どうしても許せない」「納得できない」と感じられる方もいます。
そのようなときに必要なのは、法律論を押しつけることではなく、「この先生が言うなら」と受け入れていただける関係性です。
法律知識や経験だけでなく、人として信頼していただけるかどうか――その総合的な人間力こそ、弁護士に最も求められるものだと考えています。
私は、その力を磨き続け、ご依頼者様が再び平穏な生活を取り戻せるよう、真摯に取り組んでまいります。
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